永田陽一の『福福星 Star of the Stars』は、まさにエレガントそのものの写真集だ。通常の出版物とはかけ離れた作りで、まるで本自身が、早く開いて、中の写真をじっと見てほしいと叫んでいるように思える。そして中を開けば、あたかもオリジナルを見ているような感覚にとらわれる。もう何年もオリジナルを見てきている私にとって、これらの作品にはとても馴染みがある。ここに再現された写真のサイズも魅力的だが、オリジナルの色とほとんど変わらない鮮やかな色もすばらしい。これは「本物」だと信じたくなる仕上がりだ。


『福福星』 は、日本の「クラブピープル」たちが織りなすアンダーグラウンド世界を、見事にとらえている。なかでも際立っているのは、一番後ろに折り込まれた16.5×23インチという特大のLulunの写真だ。


この写真集ができあがるまでには2年以上の時間を要したというが、まさに待った甲斐があったといえよう。これほどエレガントに制作された本を私は他に知らない。広く世界中のオーディエンスに届いてほしいと願っている。

スーザン・スピリタス(スーザン・スピリタス・ギャラリー  アメリカ



素晴らしい写真集です。まるで彼らが生きているように表現されています。
印刷、デザインもすぐれているし、部数も少ないので将来的に価値があがるでしょう。
ひとつ疑問に思うのはどうしてこの紙を使ったのか、ということです。私だったら厚みのある光沢のある紙を選ぶと思います。
部数を少なくしたのは明確な戦略だと思うのですが、シンプルな写真集のスタイルでもっとたくさんの人達にも見てもらえればもっといいのにと感じてしまいます。





Ramon Reverte ( RM 編集長 www.editorialrm.com スペイン